変異株の気配に怯えながらも、懐かしい喧騒がようやく戻ってきた高揚を抑えきれない今日この頃。他人の汗、自分以外の声、アルコールの混じった息、隙間を縫ったり押し合いへし合いの末に近づくコの字型パイプの境界とステージ。どんなビッグネームも「今日、お客さんより総出演者数のほうが多いっすね」という苦笑いや溜息、そっぽを向いた無視の壁を音楽で打ち砕き、あるいは溶かし、もしくは少しずつ削り取って、踊り場で地団駄を踏み続け、やがていつの間にか眩い舞台を駆け上がっていった。その美しさと泥臭さを忘れないように、忘れさせないでくれと祈りながら、「ライヴハウスで会いましょう」と手を振る日常に指先を伸ばす5曲を今からかけます。ライヴハウスで会いましょう!