60年近くもの長い間、音楽活動を続けたドクター・ジョンが亡くなって2年近くが経つ。R&B、ブルース、ロック、ファンク、ジャズなど、彼がアメリカの音楽業界に残した功績は多大で、日本で言えば間違いなく人間国宝である。長い活動であっただけにその全貌を掴むことは難しいが、さまざまな要素が混じり合ったニューオーリンズの音楽を世界中に知らしめたことだけでもすごいことだと思う。今回は21世紀になってリリースされた『クリオール・ムーン』を取り上げる。本作はドクター・ジョンが久々にファンクと向き合った作品で、全曲彼のオリジナル(共作も含む)で固めた傑作だ。