90年代に登場した多くのオルタナティブロッカーの中でも、群を抜いて独創的なギターワークを披露したトム・モレロ。彼の破格のプレイがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(以下、レイジ)の反体制としての姿勢を際立たせたのは間違いないだろう。コロナ渦で全世界が苦しむ中にあって、アメリカでは弱者に対して牙をむくトランプ大統領の悪政が繰り返されているせいか、デビューアルバムに収録された「キリング・イン・ザ・ネーム」が今年6月になってビルボードチャートで21位になるなど、レイジの音楽に再び注目が集まっている。そんなわけで、今回は92年にリリースされたレイジのデビューアルバム『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン』を取り上げる。