1973年、豪華なゲスト陣を迎えて、ソロデビュー作にもかかわらず燻し銀の渋いアルバムを作り上げたマリア・マルダー。『オールド・タイム・レイディ(原題:Maria Muldaur)』は、普通のヒットアルバムとは少々趣を異にする。本作は売れるか売れないかではなく、アメリカンルーツをとことん追究し、自分が納得できる“良い作品”を生み出すことだけを考えて制作された出色の作品なのだ。彼女の音楽をソロデビュー前から知る者には驚きであっただろうが、都会的なテイストを持つ「真夜中のオアシス(原題:Midnight at the Oasis)」が大ヒット(全米6位、全英21位)し、一躍彼女の名は世界で知られるようになる。とりわけ、アーティストたちの間で彼女の艶やかな歌とバックの演奏のすごさが囁かれ、彼女は瞬く間にミュージシャンズ・ミュージシャンとなった。もちろん、それは現在においても変わらず、マルダーはアメリカを代表するシンガーのひとりとして数多くのアーティストたちから大きなリスペクトを集めている。この6月には9年振りに来日を果たし、元気な姿を見せてくれた。
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music.jp 本配信情報は2019年8月09日時点のものです。
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